聖域に造営された按司の墓6 大湾按司の墓
神格化された按司(支配者)の墓は、聖なる山の頂部直下の中腹に造られた。
今回は、
聖なる山、泊グスクに造営された大湾按司の墓です。
大湾按司の墓墓の造られたあたりの岩盤は大きく崩れた形跡があり、割れ目から墓の内部に入ってしまえそうです。
按司墓上部の岩盤の様子
恐らく、墓の成立以降に崩れたのでしょうが、造り直すのに適した環境ではないと言わざるを得ません。
にも関わらずココに按司墓があり続けることが、
この場所にこだわった証と言えるかもしれません。
大湾按司の墓は、比謝川河口沿いにある
聖なる山、泊グスクの頂部直下に造営されました。
泊グスクと大湾按司墓の位置ほんとにもう、
ドンピシャでグスク頂部直下です。
泊グスクの頂部には、自然の石灰岩の露頭が見られます。
泊グスク頂部の岩
周辺地形が平らに造成されているにも関わらず、この岩は埋められも削られもせず残されています。
典型的なグスクで拝まれるイベ石(磐座)の構造です。
しかし、今現在、拝まれている形跡は見られませんでした。
信仰が途絶えてしまったのかもしれません。
大湾按司の墓のほど近くに、かつて今帰仁グスクの按司だったとされる丘春という人物の墓も造られています。
丘春の墓
これもまた凄い地形に造られた立派なお墓です。
柵の外はもちろん急な崖になっています。
この場所に造営された意味を考えさせられる構造です。
丘春墓前の崖
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