グスク聖域説を理解する その1

コッコたけぞう

2019年07月19日 23:40

私が理解するのに10年はかかったであろうグスク聖域説
神主でありながらお恥ずかしい(/ω\)

でも、本当に難しくて、本やネット上に見られる解説は、だいたい間違いか認識不足だったりします。


知名グスク(南城市)
発掘調査で遺物がほとんど出土しなかった聖域的グスク



まずは試しに、グスク聖域説を提唱した沖縄民俗学の巨匠、仲松弥秀氏の「グスク」定義をお楽しみください(笑)



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グスクは

「石垣で囲まれた神のいます、あるいは天降る聖所と、神を礼拝する拝所とを一つにした聖域」

である。(「天降る聖所」=御嶽)


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どうでしょうか?

すぐにグスクの姿をイメージできた方。

はっきり言って天才です。

私に脳みそを少し分けて下さい。

(もちろん、論文の中にはもっと説明がある訳ですが)



仲松氏のグスク観を長年かけて私なりに分かりやすくイメージ図化したものが以下です。



グスク聖域説イメージ

①「石垣で囲まれた神のいます、あるいは天降る聖所」

が図の「御嶽」部分。


②「神を礼拝する拝所」

が図の「礼拝所」部分。


①と②を「一つにした聖域」がグスク


というのが仲松氏のグスク聖域説になります。

たけぞう的に簡潔に言い直すならば、

「御嶽とそれを拝む場所を、まとめて石垣で囲んだ聖域」

となるでしょうか。



でもでも、首里城や中城グスクなど、明らかに城であるグスクもありますよね?

これに関して、仲松氏はどう考えたのでしょうか?

次回、お話ししたいと思います。


参考文献

武部拓磨『グスク聖域と支配者の諸相』 電子書籍 2019年

・仲松弥秀「『グスク』考」『沖縄文化』第5号 沖縄文化協会 1961年





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