グスクは山岳信仰の聖地だった!(上)
グスク時代以前から続く、山中の岩をイベ石として祀る信仰。
いったいどのような信仰に基づいているのでしょうか?
このブログの過去記事から読んでくださっている方は、ピンとくるかも知れません
・山中の岩をイベ石として祀るグスク
・神体山の岩を磐座として祀る本土の神社
グスクの信仰は、本土の山岳信仰とそっくり
なのです。
先日の記事で、ほとんどのグスクが丘陵頂部の岩をイベ石としていることをお話しましたが、本土の山岳信仰においても、山頂が神聖視される例は枚挙に暇がありません。
一例を挙げると、
これは滋賀県に鎮座する胡宮神社(このみやじんじゃ)の神体山、青龍山の磐座です。
山頂に位置しています。
胡宮神社の御社殿は麓にあり、山頂の磐座を中心として、青龍山全体を神聖視しています。
胡宮神社
胡宮神社と山頂磐座の位置
グスクは、いわば、このような山岳信仰の神体山に築かれたと考えられます。
① 山全体が聖域である御嶽(神体山)がある
② 地形に合わせて石積みが築かれる
③ 石積みの内側が、凸部は削られ凹部は埋めれら、平らに造成される
④ もともと信仰のあったイベ石だけは、埋められも削られもせず意図的に残される
大半のグスクは、このような過程で築かれて行ったのです。
グスク聖域の根幹を成す信仰は山岳信仰であると、私は確信しています。
次回、グスクが山岳信仰の聖地であることを示唆する新たなデータをご紹介します。
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