2019年08月04日 23:20
上の写真は、大神神社の拝殿です。
この神社が特殊なのは、本殿がないということです。
どういうことかというと、一般的な神社には、ご神体が鎮座する本殿と、それを拝むための拝殿がセットで存在します。
大神神社には本殿がない
ということは・・・神様はどこに行ったの~!?
ご安心ください。
大神神社の神様は、実に美しい三輪山にいらっしゃいます。
つまり、三輪山そのものが神様の住まわれる本殿なのです。
このように神の鎮座する山を神体山と呼びます。
<ちょっとうんちく>
日本は自然崇拝のひとつとして山を崇めていますが、古代には社はありませんでした。
寺院建築を伴う仏教が伝来し、その影響で神社にも社を建立するようになったそうですが、
はじめは拝殿だけ設け、そこから自然物を拝んでいたのではないかと考えられています。
大神神社はその原始的形態をとどめていることで有名なのです。
<うんちく終わり>
また、三輪山山中には、ピンポイントに神が降臨する岩が所々に見られます。磐座(いわくら)と言います。
これがグスクを語る上でも非常に重要なのですが、撮影禁止のためお見せできません。
代わりに、神倉神社の磐座、ゴトビキ岩をご紹介します。
・小島瓔禮「オタケ(御岳)からみた山岳信仰」中野幡能(編)『英彦山と九州の修験道』名著出版 1977年
・小島瓔禮「沖縄の聖地 ―グスクとテラと」『現代宗教―3 特集・聖地』春秋社 1980年