グスク聖域説は2つある
グスクまにあっくコラム2
グスクをもっと深く知りたい人のために、他ではなかなか聞くことのできないグスクのマニアック情報をお届けします。
第2回
グスク聖域説は2つある
あまり知られていませんが、「グスク聖域説」には2種類あります。
グスク聖域の起源を葬所と考える
葬所説と、自然崇拝ととらえる
自然崇拝説です。
葬所説は、祖先や英雄を葬った場所が聖地化し、グスク(聖域)になったとする考えです。根っこは祖先崇拝となります。実際、ほとんどのグスクにお墓が見られます。
江洲グスクの江洲按司墓とノロ墓
一方、自然崇拝説は、岩や木、山などの自然物が崇拝対象となってグスク(聖域)が成立したとする考えです。
葬所が聖地化したのち、聖域内の自然物も信仰対象となったのか?(葬所説)
自然崇拝の聖地に葬所が設けられるようになったのか?(自然崇拝説)
民俗学の分野では葬所説が有力視されています。
その大きな根拠のひとつは、人が聖域に入り込みお墓を作るなんて考えられないという信仰的常識です。(
コラム第1回参照)
ところが
考古学の分野では、確実に自然崇拝があったと考えられる時代(13世紀以前)よりも古い葬所がグスクにほとんど見つかっていないことが分かっています。
みなさんはどちらの説がしっくり来ますか?
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