18話 琉球の聖地に神社(大和の神様)が入って平気?

コッコたけぞう

2020年04月10日 03:33

末吉宮が岩山の上に懸造で建立されたように(「17話 末吉宮の懸造の秘密」参照)、琉球に渡来した神社の多くは自然崇拝の聖地に創建されました
と言っても、全体数がそもそも少ないですが。


波上宮(那覇市)

沖縄を代表する神社、波上宮
末吉宮と同様、聖なる岩山の頂部に本殿が建立されました。

実は、波上宮には別名がありまして、古くから「ハナグスク」とも呼ばれていました。
そう、波上宮は「グスク」なのです。

「グスク=城」決して正しくはありません
グスクはもともと聖地のことであり、その中で城になったものもある、と言うのがより正確でしょう。(「5話 「神」を名乗る集団」参照


話が逸れましたが、琉球の神社が建立された聖地は岩山だけではありません。
洞窟に鎮座した事例も見られます。


「普天満宮洞穴」(宜野湾市)
普天満宮公式サイトより転載)


識名宮の洞窟(那覇市)


金武宮の洞窟(金武町)

地質上、鍾乳洞のできやすい琉球には、洞窟の聖地が本島各地に存在します。
神社が建立された洞窟も元々信仰のあった聖地であり、創建にあたって境内として奉納されたと考えてよいでしょう。


さて、ここで大きな疑問が沸きます。

神社が建立された聖地には、もともと琉球の神が祀られていました。
そこを取り仕切るのはもちろん神女

・・・

琉球の神様(神女)と神社の神様に、摩擦は生じなかったのでしょうか?

結論をいうと、王府は、琉球の神と大和の神が反目しない信仰論理をつくり上げました。

その論理とは?
次回、乞うご期待。



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