18話 琉球の聖地に神社(大和の神様)が入って平気?
末吉宮が岩山の上に懸造で建立されたように(
「17話 末吉宮の懸造の秘密」参照)、
琉球に渡来した神社の多くは自然崇拝の聖地に創建されました。
と言っても、全体数がそもそも少ないですが。
波上宮(那覇市)沖縄を代表する神社、
波上宮。
末吉宮と同様、
聖なる岩山の頂部に本殿が建立されました。
実は、波上宮には別名がありまして、古くから「ハナグスク」とも呼ばれていました。
そう、
波上宮は「グスク」なのです。
「グスク=城」は
決して正しくはありません。
グスクはもともと聖地のことであり、その中で城になったものもある、と言うのがより正確でしょう。(
「5話 「神」を名乗る集団」参照)
話が逸れましたが、琉球の神社が建立された聖地は岩山だけではありません。
洞窟に鎮座した事例も見られます。
「普天満宮洞穴」(宜野湾市)
(普天満宮公式サイトより転載)
識名宮の洞窟(那覇市)
金武宮の洞窟(金武町)
地質上、鍾乳洞のできやすい琉球には、洞窟の聖地が本島各地に存在します。
神社が建立された洞窟も元々信仰のあった聖地であり、
創建にあたって境内として奉納されたと考えてよいでしょう。
さて、ここで大きな疑問が沸きます。
神社が建立された聖地には、もともと琉球の神が祀られていました。
そこを取り仕切るのはもちろん
神女。
・・・
琉球の神様(神女)と神社の神様に、摩擦は生じなかったのでしょうか?
結論をいうと、王府は、
琉球の神と大和の神が反目しない信仰論理をつくり上げました。
その論理とは?
次回、乞うご期待。
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