自分の住民票の住所に「首里」と付けたい。
たったそれだけの理由で首里に住んだことがあるほど、首里城が好きでした。
あの日、2時半頃、首里方面の空が真っ赤に染まっていました。
火事だとは思いましたが、それがまさか首里城だったとは・・・
正殿が焼け落ちる映像を見て、涙を禁じ得ませんでした。
東日本大震災のときと同じような喪失感を覚えました。
歴史研究に携わる者として、復元である正殿の史料的価値が比較的低いことは分かっています。
失われたものの大きさを本当の意味で知るのは、今後、収蔵品の被害状況を確認してからでしょう。
しかし、なぜなのだろう
私は、正殿が焼失したことに大きなショックを受けたのです。
同じように感じた人は多いのではないでしょうか?
それほどまでに、首里城正殿は私たちの象徴であったのだと、気付かされました。
首里城の復元に従事された諸先輩方は、誰よりも心を痛めていらっしゃることでしょう。
それを思うと胸が締め付けられます。
しかし、あえてこういう言い方をしたい。
我々が首里城の焼失に打ちのめされるほど悲しめるのは、先輩方が、この素晴らしい象徴を我々に贈って下さったからなのです。
はや首里城は、再復元の方向に向かっています。
次は、我々の世代が、琉球の象徴を未来につないでいく番です。
我々は、誰のために、何のために、琉球の象徴を復活させるのか?
諸先輩方に明確な想い・目的があったように、私たちもただ再建するのではなく、
今へ、未来へ向けてどのようなメッセージを伝えるのか、
具体的、客観的に議論できたらいいなと思います。
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