先日、南城市のグスク・御嶽を調査してきました
今回は南城市玉城の奥武島のご紹介
海岸段丘で段々の地形になっている奥武島
この島には2つのグスクが存在します
ひとつは奥武グスク
住宅に挟まれた平坦地に拝所がちょこんとあるだけ
これは恐らく新しい拝所
元のグスクは別の場所にあったと思われます
もうひとつはタカラグスク
自然岩がゴツゴツ残されていて聖域的グスクの雰囲気が漂っていましたが、実態は謎
発掘したら何か出るかも
奥武島くらいの規模の島は、島全体が神聖視されていても不思議ではありません
そうした場合、島の頂上が最も神聖視されるのは典型的な聖域構造です
しかし、聖域である奥武グスクもタカラグスクも丘陵麓から中腹に位置しています
グスクはなくとも、島の頂上に何かしらの拝所はないだろうか?
テクテク歩いて島の頂上へ
するとやはり!
ありました!
「国軸」と呼ばれる島最高所の拝所が!
住宅地の中、人工的な祠が有れば良しくらいの気持ちで行ったものなので、自然岩が残されていた事に驚きました
人工物が一切何もない自然地形の状態で見ると、国軸の岩は、奥武島で1番高い場所にある岩なのです
これは確実に古くから信仰され続けてきた岩。
よくぞ残してくれた!
こういうのがギリギリとは言え残されているのが沖縄の良いところ
…ほんとギリギリだけど。
壊すは一瞬
2度と戻らない
何百年、何千年、下手したら一万年以上も昔から崇め、祈り続けられた信仰対象である自然物
人類史の中で瞬きする程の長さもない現代という一瞬の時代の価値観で、容易に壊して良いはずがない