グスクは山岳信仰の聖山であり、その多くに
神格化した按司(支配者)が君臨しました。
(
「新説!グスク支配者聖域君臨説」・
「聖域に君臨した按司」参照)
生前、神の依代であったイベ石(イワクラ)の隣に君臨することで自らの権威・神威を誇示した按司ですが、
死後はどこに葬られたのでしょうか?
まさか、神を名乗った支配者が、そのあたりの草むらや便所の裏に葬られる訳がありません。
結論を言うと、
按司の墓もまた、山岳信仰の聖山に造営されました。
最も神聖視された
聖山の頂部直下の崖中腹に横穴が開けられ、墓とされたのです。
イメージ図化すると、下のようになります。
グスクのほとんどは石灰岩の丘陵からなります。
その岩盤を掘り広げて、横穴を造ります。
その中に、人骨を納めた木槨を安置したと考えられるのです。
これまでも、
多くの按司墓が、崖中腹という足場の悪い不便な場所にわざわざ造られていることは知られていましたが、なぜそのような所が選ばれたのかは分かっていませんでした。
しかし、私の研究で、按司墓の位置の共通点が浮かび上がってきました。
それが、
聖なる山の頂部直下なのです。
生前、神としてグスク聖域に君臨した按司は、
死後もまた、神として聖山に葬られたと言えます。
これからしばらくは、その具体例を紹介していきます。
ちなみに、取り扱う按司墓は、科学的調査等でグスク時代に遡ることが確実である墓や、形態等からしてグスク時代に遡る可能性が高いと思われるものです。
後世に造られたもの、移転したものは含めませんので、ご了承下さい。
それでは、2020年もグスクで盛り上がっていきましょう!(笑)
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